楽しみにしていた本を手にした二人は、併設されているカフェへと向かう。ここで少し本を読む予定。
 だが、四分の一ほど読んだところでアイリーンは本を閉じた。閉じたくはなかったのだが、これ以上この本をここで読むのは無理であると判断した。

「エル。私、もう無理」
 そこで、冷めた液体を飲み干した。
「多分、泣く。これ以上、ここでこの本は読めないわ」

「リーンなら、間違いなく泣くわね」

「続きは帰ってから読むわ」

「私もそうするわ。リーンでなくても、泣くもの」
 追加でお茶と軽食を注文した。

「そうそう。リーンの月雲のおかげで、前回の外国語の小テストが良かったの。今までにないくらい。びっくりしちゃった」
 アイリーンはサンドイッチを口元に運びながら言った。