「あの。テスト勉強をしようかな、と」

「あ」
 アイリーンがテスト勉強という単語を発したときに、ノエルの顔が不細工になった。
「そうよねぇ。新刊で浮かれていたけれど、浮かれてばかりはいられなかったわ」

「会長から、昨年のテスト問題を借りましたので、一緒に勉強しますか?」

「え、会長が貸してくれたの? あのケチクソ会長が? 私やイブがいくら頼んでも貸してくれなかったのに」

「そうなんですね」

「そうなのよ。だからダンカンさんに借りようと思ったけれど、会長の息がかかっているからか、ダンカンさんも貸してくれないし。本当にケチクソな二人なのよ。よく借りられたわね」
 そう言われても、貸してあげると言ってきたのは向こうからだから、アイリーンは何もしていない。

「きっと、私が留学生だからですね」
 多分、その答えが一番しっくりとくる。

「じゃ。月雲の新刊も無事手に入れることができたし、次はテスト勉強ね」
 ノエルのその言葉にアイリーンは頷いて、サンドイッチを口の中に放り込んだ。