【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「ユミエーラ様」
 文官に名を呼ばれ、ユミエーラは顔を向ける。
「何?」

「『人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ』という言葉をご存知ですか?」

「あれ、そうだっけ? 『地獄に落ちろ』ではなかったかしら?」

「まあ、どちらでもかまわないのですが。地獄に落ちるようなことをなさらないでください、ということを申し上げたいのです」

「あら、私の行いは天国に行くようなことよ」

「そうだといいのですが。イブライム様を見た時のアイリーン嬢の顔は引きつっておりましたよ」

「え、それって見込みが無いってこと?」
 どうでしょうね、と文官は答えたのだった。
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