【コミカライズ】腐女子令嬢は隣国の王子から逃げられない~私は推しカプで萌えたいだけなのです~
「部活動見学の期間中に、これを本と一緒に部室内に飾っておくのはどうですか? もし作ってみたいっていう一学年の生徒がいたら、一緒に作るのもありですよね。そうすれば私たちもいろんな本を知る機会にもなりますし」

「そうだな。やってみようか?」
 ルークは残りの三人の顔を見る。彼女たちは頷く。さりげなく自分の好きな作品を布教できるチャンスなのだ。やって損は無い。

「でも、リーンみたいな絵は描けないわ」
 ノエルが残念そうに言う。
「でしたら、イラストのイメージを伝えてくれれば、私の方で描きますよ。これくらいの絵ならすぐに描けますから」

「リーンさん。黒髪の短い髪で、眼鏡の男性魔導師を描いてみて」
 いきなりサラが無茶ぶりをしてきた。

「クールな感じですか? 可愛らしい感じですか?」

「可愛らしい感じでお願い」
 サラのことだ。多分、この魔導士は『受け』にちがいない。という妄想を膨らませて、描いてみる。
「こんな感じでいかがですか?」

「ちょっと可愛すぎるけれど、だいたいはこんな感じだわ。この絵を使ってもいいかしら?」

「ちょっと待ってサラ。紹介する本は全年齢対象の本だ。年齢制限のある本はやめてくれ」

「ルーク。この本は全年齢対象よ」

「君の読んでいる本の大半は、君の年齢でさえも危うい本ではないのかい?」

「失礼ね。そういう本は積んであるのよ。あと一年我慢しているの」
 でも、手元にはあるんですね。とアイリーンは思った。
< 95 / 365 >

この作品をシェア

pagetop