一途な敏腕社長はピュアな彼女を逃さない
第4章
そしてカヨ子さんと食事をした日から
数日が経ち、俺はいつものように仕事に
追われる日々を送っていた。


俺が書類に目を通していると
トントン
社長室の扉がノックされた。


「どうぞ」


「失礼します」


俺はチラッと目だけ向けると
秘書課の入社したばかりの女性社員が
何か包みを持って立っていた。


「何だ?」

素っ気ない態度で答えると
すぐに書類に視線を戻す。




「あの、お忙しいところすみません!
実は社長に食べてもらいたくて
お弁当を作ってきたんですが...」


時計を見ると時計の針は
すでにお昼の12時を少しまわっていた。


俺ははぁと大きく溜め息をつくと
冷めた目で女性社員を見つめた。


「そんなものを頼んだ覚えはないが?
弁当を人に作ってる暇があるなら
早く仕事を覚えなさい。」


「そんな...」


「それから俺は外食以外で
他人が作ったものは食べない。
以上だ。下がりなさい!」


女性社員は半泣き状態で
社長室を出ようと扉を開けた。


するとちょうど総司が入ろうとしたところで
女性社員は俯いたまま
総司の横を走って通り抜けて行った。


「失礼します」


呆れた様子で総司が入れ替わりに入ってくる。


「新入社員の教育をちゃんとしとけよ」



「新入社員がまたお弁当でも作ってきましたか?
毎年、どの社員もやることはおんなじですね。」

    
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