あのパーティからあっという間に一カ月が過ぎた。
次の日ホテルで目を覚ました智成はすぐに電話で謝ってきて、言いたいことはいっぱいあったけどあそこで寝るなんてありえないとお小言を言っただけで終わらせた。あれ以来、智成とは直接会っていない。
智成の仕事がやけに忙しいらしく海外出張にも行っていて、私もバイトがあるし会うタイミングがなかなか合わなくて電話ばかりになっていた。
智成がうちに遊びに来ればと思ったけど、お兄ちゃんはあれ以来増々『智成でいいのか? 考え直せ』なんて言って私に別れを勧めるようになっていて呼ぶに呼べず。
お兄ちゃんと智成は親友だったはずなのに私のせいで仲違いするんじゃないかと思うと逢いに行くのも憚られた。
『逢いたい。茉緒不足でどうにかなりそうだ』と切なげな智成の声に「うん、私も」と答えるものの、本当に逢いたいと思ってる? と疑っていた。
お見合い相手の有川さんは毎日智成と会ってるし、もしかして出張もずっと一緒だったのではと疑ってしまい、私は一カ月も会えていないのにと嫉妬にも似た感情が湧く。
お見合い相手の有川さんのこと、結局詳しくは聞けてなくて、智成は私だけだと言ってくれるけど、思った以上に有川さんの存在が私の中で黒い靄となって心を蝕んでいた。