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「はぁ~っ! 久しぶりにキター! あっ!マスコットのミッチー!きゃあ写真撮ろう」
「もう二十五のくせに、大人げないぞ」
「いいじゃん! ここは大人も子供に戻る夢の国なんだから!」
門をくぐった途端にはしゃぎだす茉緒につい笑ってしまう。
茉緒の誕生日の今日、俺たちは夢の国こと、レジャーランドに来ていた。
昨日は、残っていたトラブル処理やら、そのせいで滞った仕事を何とかこなし、日付が変わる少し前に帰ることができた。
まだ茉緒は起きてるだろう。
せっかくだ、一番最初におめでとうと言ってやろうと思っていたのに、帰ったら茉緒は電話中。
しかも、少し高い甘い声。くすくす嬉しそうに笑い時計を確認してありがと。なんて言っているから、電話の相手は男で、茉緒に祝いの言葉を贈ったのだろう。
まさか、別れたはずのひろきか?
じくりと胸が疼き黒いものが広がっていく。
だがしかし、それは次の言葉ですぐに霧散する。
『そういうの、普通恋人にするんじゃないの? 妹にとかお兄ちゃん侘しいよ?』
なんだよ陸翔かよ!