今日も隣の席でぎゅっとして。 ❄
Silver snow1*隣の席になりました。


「はぁ…寒っ…」
 翌日、わたしは白い息を吐きながら葉二蘭(ばにら)高校に向かって住宅地を歩いていた。

 今日から12月。
 昨日よりも凍るように寒い…。
 灰色のダッフルコートに、ふわふわのマフラー巻いて、黒のタイツ履いてきて良かった。

 ふわっ…。
 冷たい何かが頭の上に降ってくる。

「あ、雪だ…」
 わたしは目をキラキラと輝かせながら言う。

 わたしは思わず両手の平を合わせて広げた。

 あ、手の平に雪…冷たい…。
 だけど一瞬で溶けてしまった。

 わたしはしゅんとなる。
 (まぶた)のふちに熱く(にじ)むものを感じながら、わたしの両手が(かす)かに震える。

 なんだか“体の弱いわたし”みたい。
< 11 / 585 >

この作品をシェア

pagetop