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(何だか、ものすごく大げざなことになっている……?)


CTの丸い輪の中でそんなことを思ってしまったのは、平静とは言い難い精神状態ではあるけれど、車とぶつかった箇所が痛いくらいで、他にあきらかな痛みや具合の悪さはなかったからだ。

幸生を抱えたまま倒れ込んだため、受け身が取れずに地面で頭を打ってしまった。
しばらく意識を失っていたものの、ストレッチャーに載せられた拍子に意識は戻り、医師や看護師の質問にも受け答えできている。

それぞれ処置を受けるために離れた幸生の様子も、擦り傷程度で問題はない。午来弁護士が付き添ってくれていると看護師が教えてくれ、胸を撫で下ろした。

どうやら骨折もしていないようだし、このまま検査で異常がなければ帰宅していいような……というか、帰宅できなければ、困る。

誰が幸生の面倒を見るのか。
尽は仕事があるし、一日中一緒にいるのは不可能だ。

この町に知り合いがいないわけではないが、いきなり子どもを預けられるほど親しく付き合っている人はいない。

ここは、気合と粘りで、帰宅許可を勝ち取ろう……などと思っているうちに、検査はあっさり終了。

検査結果は、後ほど説明しますと言われ、車いすで連れて行かれたのは入院用と思われる個室。
ソファーで眠る幸生の傍にいたのは、予想していた午来弁護士ではなかった。


「尽? どうして?」