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「いい加減、どこへ行くのか教えてくれてもいいんじゃないか? りっちゃん」

「秘密です」

「しかしなぁ……」


何度目かの同じ質問の後、所長は大きな溜息を吐いて、車窓の外へと目を向けた。

リムジンの乗り心地の良さと朝から大興奮だった疲れが相俟って、幸生は熟睡中。
昨夜遅かった尽も、幸生の穏やかな寝息につられ、寝落ちしてしまった。

車内は広々としていて、別々に寝そべる余裕もあるというのに、二人は重なるようにして眠っている。