「大丈夫、です……」

 それが先程の『行為をしても大丈夫なのかと思うくらい』の返事だったのだと気づいた片倉は、ふっ、と笑顔になった。

「もう、やめてと言ってもやめないからね?」

 蠱惑的な瞳で真っ直ぐ見られて、浅緋は胸がきゅっとする。
 知らない。こんな獰猛な片倉は知らない。けど、それもこの人の一部なのだと思ったら嫌じゃない。

 だって、それは浅緋にだけ見せてくれる本当の顔だから。

──そ……ういうこと、なのね……。

 浅緋のぷんっとした顔を見ても、嬉しそうだった片倉。
 それが浅緋の本音だったからなのだ。

「何を考えているの」
 浅緋の上にいる片倉が、その額の髪をそっと撫でた。

「いえ……。本当の姿を見せてもらえるって、嬉しいものなんですね」

 片倉の顔が近づいてきて、その柔らかな熱が浅緋の唇に重なった。

「そうだよ。僕はそう言ってくれる浅緋が嬉しい。そんな姿はあなたじゃないと、幻滅などしない浅緋のことを愛してる」