政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
 自宅の方向から、お手伝いの澄子さんが手を振っているのが見えた。

「お嬢様! ご主人様! お客様がいらっしゃってますよ」
 浅緋と片倉は顔を見合わせて微笑む。

「では行きましょうか」
「はい」

 2人が手を繋いで母屋に向かうのを、桜の木は風に花を揺らがせながら見守っていた。

 桜の木はきっと2人の子供のことも見守ってくれるのに違いない。


     ✽+†+✽―END―✽+†+✽


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