魔法の恋の行方・ドラゴンのヘタレ純愛・シリーズ6(グラゴールとエリィ)

誘拐事件・ドラゴンの館・その4・36~37

<エリィの館見学・次の日>

午前中はグレーズの案内で、
エリィは、庭のあちこちを見ていた。

「ここいらでは、エルフたちが馬を育てますだ。
エルフの馬は高い値段がつくので」
馬屋近くで、グレーズは説明した。

グラゴールは、こっそり後をつけていた。

エリィは興味深そうに、
柵の中で、のんびりしている
馬たちを眺めた。

「エリィ様も乗って見ますか?」
グレーズの(うなが)しに、
エリィはぶんぶん顔を横に振った。
「大きくて、怖いです。
それに馬には、乗った事がないので・・」

「小さい奴もいますだ。
アンナも乗っている、ポニーならいいですだ」

グレーズは、
木の陰に身を潜めている
グラゴールの方を見た。
グラゴールは、大きくうなずいた。

「明日、お天気が良ければ・・
乗ってみたいです!」
エリィは笑顔を見せた。

その足元に、子犬がまとわりつく。
「キャハッ、かわいいですね」
「こいつは芸当もできますだ」
グレーズはそう言うと、
指笛を吹いた。

子犬は全力疾走し、遠くに置いてあった枝をくわえて、
すぐに戻り
グレーズのそばにぴたりと座った。

「うわぁ、おりこうさんなのですね」
エリィは手を叩いた。

「エバンズのお館では大勢のお客が来ると、狩りもやるので、
鹿とか狐とか」
グレーズは、遠くの森を見た。

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