クールなイケメン総長さまの溺愛には注意です!

トラブル


放課後。


紅葉はいつものように大きなスポーツバックを抱えて教室を慌ただしく出ていった。


相変わらず忙しそう……。


そんな紅葉を見送った私は帰り支度を始める。


1人、もそもそと動いていると、


ーガタっ!


隣の秋葉くんが席を立った。


秋葉くんは気だるげにふわぁ〜とあくびをひとつするとカバンを手に取り、歩き出そうとしていた。



「あ、秋葉くん!お疲れ様!じ、じゃあね!」


「ああ、じゃあな」



ードキッ。


私が一方的に声をかけたのに秋葉くんは嫌な顔ひとつせずにニカッと笑った。


その笑顔にまたドキッと胸が高鳴る。


なんでこんなにドキドキするんだろ………。


五十嵐くんとかほかの男子の笑顔を見てもなんとも思わないのに秋葉くんだけは違う。


胸が甘く、苦しく、反応してしまう。


それは紅葉に言われなくても薄々気づいてた。


だけど、気づかないフリをしていたんだ。
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