クローバー


「アハハハハ!!!!!
もう我慢出来ないっっ!!」


2人の後ろにいる男の人が、目に涙を浮かべながら腹を抱えて笑っている。


よくよく見るとその人以外にも、あと2人男性がいて、その人達も肩を震わせながら必死に笑いをこらえている。


大丈夫か?この人達。
私が心配そうな眼差しで見つめていると、


「はぁー。こんなに笑ったのは久しぶりだ。2人は君が思って居るような関係じゃないから誤解しないであげて。」


キスした本人達がちっと舌打ちをする。


「あれは事故だ。いいか?絶対に誰にも言うんじゃねーぞ?」


それにコクコクと頷く。そうか事故だったのか。それは悪い事したな。自分の早とちりに少し恥ずかしさを覚える。


そしてある事に気づいた。


まって、あれって


『女。お前俺に近くなよ?』


今朝の言葉がよみがえってくる。慶さんにバレる前に早く立ち去ろうと決めて、扉へと進もうとした。


「ねぇー。君どうしてこの場所に?」


それを許してはくれなかった。この教室にいる5人の中で1番紳士的な雰囲気を持つ青髪の人が聞いてきた。


「そ、それは.......」


「ん?それは?」


まるで、早く言えと急かしているようだ。
迷子になったなんていえるか?流石にこの歳で恥ずかしい......


でも言わないと帰してくれそうもない雰囲気だったので、


迷子という部分をなるべく小さな声で言った。私なりの抵抗だ。


「..............迷子になってたら、この教室から声がして。」


「「「「「は?」」」」」


見事にはもったな。悪かったな、迷子で。


「しょうがないだろ!!今日転校してきたんだから!!もう帰っていい?」


最後にふんっと鼻の音が着きそうなほど怒り気味に言ってやった。見事な逆ギレである。


男達の返事を聞かずズカズカと扉の方へと歩く。


「文乃また来いよ。」


背中から慶の声が聞こえた。


あーあ。やっぱりバレてたか。にしてまた来いよって。私達は関わらないって決めた赤の他人。慶がどういう気持ちでその言葉を言っているのか理解出来なかった。


「なぁー。お前帰るのはいいが帰り道分かるのか?」


慶とキスをしていた男が尋ねてくる。
うっっ。恥ずかしい。


背中から笑い声が響いてくる。


今日は疲れる1日だ.......。












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