カラフルハート
「うん!着物という枠にとらわれずに、現代の服を使ったりとか……例えばだけど、着物の下にパーカー着て首からフードを出したり。
そういう現代風着物のショーがあったら、見てくれる人もワクワクしてもらえるような気がするの…!」
考えていたことをいざみんなに伝えられると思ったら、つい熱が入ってしまう。
「袴とかも取り入れて、何でもありの、私たちなりに日本の文化の素晴らしさを伝えられたらいいと思うんだけど……」
鍛治くんの家で浴衣を着させてもらって、おばあちゃんが言っていたことを思い出した。
着物の素晴らしさを伝えられる場所があるなら、ここしかない。
みんなとならそれができるんじゃないかと思ったんだ。
「……どう、かな?」
教室がシーンと静まる中、私は恐る恐るそう聞いた。
みんなが賛成してくれなければ、このステージ発表はできない。
私ひとりでは実現できない。
これはみんなが協力してくれてできることだから。