ひまわりが枯れるとき、ライオンは…
今、中村くんはテストを受けている。

あと、10分。

頑張れ、中村くん。

〜10分後〜

「優!」

中村くんが戻ってきた。

「どうだった?」

「頑張った。前より全然わかるところあったし、でも俺、元がバカだから、えらいミスしてるかも。」

「あれだけ頑張ったんだもん。きっと大丈夫だよ。信じよう。」

「おう。」

しばらく待っていると、採点を終えた先生が来た。

「おーし、テスト返すぞ。」

「は、はい!」

「中村…。」

中村くんが緊張しているのは見ていて分かった。

大丈夫。

きっと、大丈夫だよ。

「よく頑張ったな。」

「え…ぇえ?!」

返されたテストを見て、中村くんは飛び跳ねた。

「優!みて!俺やったよ!」

「60点…すごいじゃん!やったよ中村くん!」

「マジで優のおかげだわ。サンキュ。」

「お前ら本当によく頑張ったな!これでアイスでも買って帰れ。」

「「先生!ありがとうございます!」」

先生から頂いたお金でアイスを買って、俺たちはちょっとした打ち上げをした。

「優、まじでありがとう。俺が60点取れるなんてまじ奇跡!」

「中村くんが頑張ったからだよ。」

「だから、海人でいいって。」

「か…海人。」

「そう!そっちのがいいわ。」

「わかったよ。」

「初対面の時ごめんな。あんな態度とって。」

「全然気にしてないよ。みんなそうだし。」

「いや、まじでごめん。失礼だったわ。」

「だからいいって。」

「優って、みんなが言うほど怖くねぇし、むしろ優しいし。仲良くなれてよかったわ。」

「…仲良く?」

「俺ら、もう友達だろ?」

「う、うん。」

「なんでそんなぎこちなきんだよ。笑」

「いや、なんか慣れてなさすぎて。」

「俺と優は友達。いいな?」

「うん!」

「みんなもっと優と関わればいいのにな。そしたら良いやつってわかるのに。」

「苦笑」

高校に入って、初めて友達ができた。

「アイスだけじゃ打ち上げ感ねぇわ。優、このまま遊んでラーメン食べて帰ろうぜ。」

「いいよ。じいちゃんに連絡するからちょっと待って。」

携帯を開くと高野さんからメッセージが届いていた。

ー明日8時に空港入口集合。泊まりの準備よろしくお願いします。

…ん?空港?
 
ー了解。

…え、泊まり?!
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