再会した幼馴染に溺愛されています。
追い討ち

放課後を告げるチャイムが鳴り響く。
毎日聞いてるから流石に鬱陶しく感じるよ。


「秋穂、私は部活に行くからね……あまり無理しないでね」


「うん、ありがとう舞!そっちこそケガに気をつけて部活しなよ!」


スポーツバッグを肩にぶら下げる舞を見送ると私も帰り支度をする。


あーみんな教室を出て行くなー。


当然の光景だけどさ。


「…………」


やっぱり何だかんだ言って冬馬の事を目で追っちゃう……。
この癖はしばらく抜けなそう。


冬馬ってばいつもより支度が早い……。
何か用事でもあるのかな。


「私も帰るか……ハアっ。冬馬……」


私は姿のない冬馬の席を見つめる。
もう手の届かないという実感がジワジワと湧いて来る。


気がつくと私は駆け出していた。


まだ近くにいるはず……!


なんでだろう。
私の心は傷だらけなのに、なんで足が勝手に動くんだろう。


今日も冷たくしてほぼシカトしてたから流石に態度悪かったよね私……。


せめてその事くらいは冬馬に謝っておこう。
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