一途な御曹司は溺愛本能のままに、お見合い妻を甘く攻めて逃がさない
1章:身体も、心も、

 もうすぐクリスマスイブだけど、日本の冬はローマよりほんの少し寒い。

 先ほど街に少し出てみたら、街中が色とりどりのイルミネーションでキラキラしていて多くのカップルや家族連れでにぎわっていた。

 大きなクリスマスツリーの下、私は隣に誰もいないのに、つい隣を見て、ある人の顔を思い浮かべる。

(一緒に見たかったなぁ……)

 そう思って見上げた空に白い息を吐き、それから自分の冷え切った手を握った。
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