恋と旧懐~兎な彼と私~
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「もう,あいつは来ないから。俺の前でもう,そういう辛気臭い顔しないでくれる?」



昼休み,いつも通り会いに行くと,そんなことを言われた。

いつも通りのはずなのに…?



「辛気臭い? いつもどーりじゃね?」

「うん。あと誰のこと?」

「波玖とか言うやつ」

「えっと……なんで?」

「……知らない」



えぇ? 

弘をみると笑いを堪えてるみたいな風だった。



「……弘」

「わりぃ……くくっ」

「何のことか知ってるの?」

「いや,知らない……でも,なんとなく分かったわ。ふっ,あーお前マジおもろいな」

「うるさい」

よく分からないけど,暁くんが言うなら大丈夫な気がする。

例え気休めでも,暁くんが慰めようとしてくれたのは分かるから,私はそれが嬉しい。
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