俺の気持ちに気づけよ、バ~カ!


漆黒でゆるく波打つ、俺の前髪。


璃奈好みに、
ワイルドっぽくかき上げてみた。


――早く、俺に惚れろ。


そんなピンク黒い欲望を、
眼圧に込めまくって。




愛情マックスで
見つめてやってんのにさ、

天然っていう生き物は、
ホントやっかいで……


「桜ちゃん見て見て、この写真」


「はぁ?」


「亮くんと優くんがね、私のために
 卵焼きを焼いてくれたんだよ」



獲物を狙うライオンに気づかない
呑気なウサギは、
ユルフワ笑顔を浮かべている。

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