離婚するはずだったのに記憶喪失になって戻ってきた旦那が愛を囁き寵愛してきます
痛み
次の日も、グランドオープンのお祝いは続き、やっぱり蓮斗さんは、姿を現さなかった。

(…… もう私が口出す問題じゃないけど…… どうしちゃったんだろう…… )


 ホテルスタッフ達は、しっかりと教育されており、彼がいなくても、滞りなく進んだ。

(こう言う所は、流石なんだけどね…… )

 蓮斗さんが気にはなるが、私にはどうする事も出来ない。

 結局、いつもどおり、自分の仕事をこなすだけだ。

 終日、慌ただしくお客様の対応に追われていたが、大きな問題もなく二日目を終えた。

「あと一日だな。 無事に終わったら、翌日は丸一日予定を開けてあるから、観光して皆にお土産買うぞ」

「私は、美味しいもの食べたーい! シエナさんは? 」

「私は、やっぱり火山が見たいですね。 噴火口はまだ煙が出てるって聞いたし、それでも観光名所になってるんだって言うから、凄いですよね」

 片付けを終えると、現地スタッフ達が、夕飯に誘ってくれたが、明日の為に、体力温存する事にして、断った。

「……ッ! 」

 シャワーを浴びて、ホッとしたところで、下腹にツキンッとした痛みが走る。

(……お腹の調子も悪いし、神経性胃炎かな? 思ったより、離婚の事が堪えてるな……  )

 ベッドに入ると、体調の悪さと、疲れとで、久しぶりに深い眠りに落ちていった。

 

 

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