俺は煙を燻らせながら一面に広がる空を見ていた。都会から少し外れたこの場所ではよく空が見渡せる。心なしか空気が澄んでいるような気さえした。

「…………ふぅ」

 肺に溜まった煙を吐き出すと、ふわりと空へと昇っていく。

 初めて訪れたボロいアパート。
 今、あいつはここで暮らしているのだという。久しぶりに会えるのだと考えると、どこか心の奥底がくすぐったかったし、気が早るのを自覚した。

 数年前、あいつは俺のプライドをへし折ったはずなのに。
 久しぶりに会った少女は一人の女性として成長していた。だからこその言葉だった。

 あいつから離れた後もなぜかずっとあいつのことばかり考えていた。だが、それももう飽きた。