凍った空気に耐えきれず、私はわざと明るい調子で話し出す。

「え、遠藤くんがはじめての主演映画の相手で良かったです。慣れた相手の方がなにかと演じやすいですから」

「…………」

 お互い納得の上に別れたというものの、やはり元カレの遠藤朝陽と共演するのは気まずさがある。けれどそれをおくびに出せば、なにかと深堀されてしまう可能性も否めない。元カレであるとは知らないだろう玲二をこれ以上刺激するのは避けたかった。

 けれどその心遣いも虚しく、玲二はこの後むっつりと口を結んだまま一言も話さなかった。

 けれどその日の晩。
 ベッドに潜り込んだ私に玲二は何もいうことなく突如抱きしめられーー数ヶ月ぶりに求めらることとなった。

 前回にも増して激しく甘く、そして乱暴な快楽に私は混乱しながらも溺れていくのだったーー。