俺は一体何をしているのだろう。

 隣で泥のように眠っているこはるを見て、思わず眉根を寄せる。
 
 八つ当たりのように、自分の感情を制御で出来なかった。なぜか苛立ちが込み上げてきて、手ひどく抱いてしまった。

 見を起こし、ベッドを出る。下着一枚だけだったので、その辺りに脱ぎ捨ててあったスウェットの下だけ身につけると寝室を出た。

 そしてそのままキッチンへ足を向け、冷蔵庫にあったペットボトルの水を口に含んだ。

「…………一服するか」

 呟き、俺は換気のスイッチを押しながらライターで煙草に火をつける。煙を肺の奥深くまで吸い込むと、ようやく頭が冷静になってきたような気がした。

 子供みたいにこはるに苛立ちをぶつけるなんて、どうかしていると思う。
 だが、あいつは俺のものだ。誰にも触れさせたくないし、触れさせるつもりもない。

 だがその思いとは相反して、状況が許してくれない。こはるは女優なのだ。これから先もずっと。

 苦い思いが湧き上がり、苛立ち紛れに煙草を口に咥えたあと大きく息を吐いた。白い煙がふわりと辺りを漂う。

 俺は先日、部下から聞いた話を思い出した。