玲二が部屋を訪ねてきて数日後、この日は特に予定もなかったのでひさしぶりに買い物にでも行こうと部屋の中で準備をしていたのだがーー。


 気づけば都内の道路を走る車の中にいた。


「ちょっ……この車どこに向かってるんですか……」

「ああ? 銀座に向かってる。俺たちは夫婦になるんだ。一緒に暮らすときの家具やら雑貨やら買い出しに行くのが普通だろ。お前がうちのCMモデル抜擢されりゃ、そのあとこういう時間も取れなくなる。面倒だがスキャンダルになるかもしれないしな」

「……は、はあ」

 たしかに玲二の言うスキャンダル等の言葉には説得力がある。
 ただ、突然の事態に私は混乱するばかりだった。