振られた私を御曹司が拾ってくれました。
不思議な出会い


今日は私の25回目の誕生日。


私には付き合って3年になる彼がいる。
ちょうど3年前の今日、彼が私に告白してくれて、それから交際が始まった。
なので、今日は誕生日でもあり、付き合い始めた記念日でもある。

いつもより少しお洒落をして、ホテルのラウンジで待ち合わせ。

今日はここのホテルで、ディナーのコースを予約している。
今、女子の間で話題になり、かなり人気のディナーでもある。
特に話題なのは、最後に出されるデザートだ。
三つ星レストランで腕を磨いた、人気パティシエがデザートを担当している。
無類のスイーツ好きの私の為に、彼が半年前から予約をしてくれていたのだ。

私はこの日を指折り数えて、楽しみにしていた。


少し早めにラウンジに到着した私は、珈琲を飲みながら、読みかけの本を開いた。

物語に夢中になり始めた頃、後ろから彼の声が聞こえてきた。



「…琴音(ことね)、遅くなって悪い。」

「大丈夫、本を読んでいたし…。」



私が振り返ると、いつもの見慣れた彼の顔と、なぜか後ろに女性が立っていた。
私がその女性に目を向けると、慌てたように彼が話し始めた。



「あのさ…えっと…琴音に、彼女を紹介したいんだ。」

「…紹介?」



彼とその女性は、私の前に並んで座った。
女性は俯き、気まずそうにしている。


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