別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
これは愛だから
陸人さんと子ども図書館に行ってから、凛は彼に再会できるのを指折り数えている。

二十三日の日曜日に会えることになったからだ。


「ねぇ、ママ。あとさんにち」


保育園への道中で、凛が盛んに話しかけてくる。


「〝みっか〟って言うんだよ」
「間違えたぁ」


私も戸惑いはあれど、心が浮き立っているのは否定できない。


図書館に行った日、陸人さんに連絡先を聞かれて、メッセージのIDを伝えた。

私たちをアパートまで送ってくれた彼は、アパートの前に車を停めたまますぐにメッセージをくれた。


【今日は無理やりごめん。次の約束を凛ちゃんと先にするなんて、ずるいと自覚してる。本当にごめん】


という、実にストレートな謝罪の言葉が綴(つづ)られていた。


たしかにずるい誘い方だった。
でも、ああして少し強引に誘われなければ、うんとは言わなかっただろう。

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