ベットルームに移動する二人。

風愛は未雷に必死にしがみつき、意識が飛ばないように自分の口唇を噛んでいた。
とにかく長く、未雷を感じていたくて……
未雷に見つめられていたくて……
未雷を見つめていたくて……

「あ…風愛…ダメ……口唇切れる……」
未雷が風愛の口唇をなぞるようにさすった。

「だっ、て…飛びそ…だから……未雷く…見えなくなりそ…う……」
「飛んだら、また引き戻すから……俺の方が、まだまだ止まらない。
ね?自分を傷つけないで…?」
「やだ……お願い…あ……飛び、そ…」
そう言うと、風愛のしがみついていた手がパタンとベットの上に落ちた。

「風愛…?風愛?戻っておいで?」
頬を軽く叩いたり、つねったりするが風愛は起きなかった。
未雷は風愛を腕枕して、抱き締めた。

「風愛…どうした?
大丈夫だよ。俺は風愛しかいらないんだから。
それは一生、何があっても変わらないんだからな」

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「ごめんね、未雷くん。
ご飯、スッゴく遅くなっちゃった。
お腹すいたでしょ?」
「まぁ、腹は減ってるな!
でも、いいよ!」

遅い夕食が済み、風愛が片付けていると未雷がソファで煙草を吸い始めた。
「未雷くん」
「ん?」
「ここで吸わない?換気扇の下で」
「……………うん、わかった!」
未雷は少し考え込んで微笑んだ。

風愛が洗い物をしている横で吸う未雷。
「風愛ってさ、手…ちいせーよな~」
「え?そう…かな?」
自分の手を見つめる風愛。

「ほらっ!」
未雷が風愛の手に自分の手を合わせた。

「あ、ほんとだ…でも未雷くんの手が大きいのかもよ?」
「うーん…でも、風愛は全体的に小さいもんなぁ。可愛い~」
「え?私、バカにされてるの(笑)?」
「違うよ(笑)可愛いって話!」

微笑んで、風愛の頭を撫でる未雷。
この笑顔だ。
この笑顔をあの女性にしていた。

この笑顔は、私だけのモノのはずだ。

「風愛?どうした?」
「ううん…もっと、頭撫でて?」
「ん。いいよ!」


その後、一緒に風呂に入りそのまま愛し合った二人。
未雷は自身の狂愛を受け止め、ぐったりしている風愛を見つめていた。

“未雷くんが欲しい”と言った、風愛の言葉を思い返していた。

「なんであんな……俺を狂わせる事言ったの?」
「………」

「何が……いや、誰が……そうさせた?」


「風愛の心を、独占しているのは誰?」