あやかし戦記 永遠の終わり
ライラックの炎、アイビーの瞳、ポピーの夢
ギルベルト・エーデルシュタインは不敵に笑うサタンを見て、冷静さを失わないようにゆっくりとした呼吸を心がける。

「アリス、そっちの狐は君に任せてもいいかな?」

「……もちろんです!」

部下のアリス・スペンサーにもう一体の敵を任せ、ギルベルトは剣を構える。それを見たサタンはニタリと笑った。

「人間とは愚かだ。勝てもしない負け戦だと言うのに、安っぽい正義でここまで動こうとする。これほど滑稽な生き物はそういないだろうね」

ギルベルトの中に感情が一気に押し寄せ、風のようなスピードでギルベルトは一気にサタンとの距離を詰める。そして剣を振り下ろしたのだが、その剣はサタンの腕によって受け止められてしまう。まるで皮膚が岩のように硬い。

「僕たちアレス騎士団は、安っぽい正義なんかで君たちと戦おうなんて考えないさ。ただ褒められて、みんなから注目されるヒーローになりたい連中が入れる場所じゃないからね。だからこそ、誰よりも強い人間が集まってる!」
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