角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。
*第四章*

セカンドキス




翌日、私は日向くんに返事をすることを決意した。


「日向くん、ちょっとだけ時間ありますか?」


お昼休みに声をかけると、


「うん、大丈夫だよ」


穏やかな表情を浮かべて頷いた。


それから2人で移動して来た場所は、校舎裏だった。

あまり人目につかない場所で落ち着いて返事をしたかったから。


「ご、ごめんね。貴重なお昼休みの時間をもらっちゃって……」

「ううん、大丈夫。気にしないで」


最後まで日向くんは、優しい。

こんな人を今から振ってしまわなきゃいけないなんて……人生は難しい。

でも、私が想っている相手は先輩だけだから。


「あのね、実は日向くんの返事をしようと思って……」


緊張する。そのせいで口は急速に乾いていく。おかしいな。さっきリップ塗って乾燥予防しておいたのに……。


「その……日向くんに告白されたときは…すごく驚いたの。どうしてって、びっくりしちゃって……」


私が泣いていたあの日、告白をされたから。
< 213 / 280 >

この作品をシェア

pagetop