ゆるふわな君の好きなひと

 わたしの返事、聞くつもりあったんだ。

 わたしがすぐに返事しなかったから、告白自体なかったことにされたのかと思ってた。

 でも、改めて聞いてくるってことは、あの告白は冗談でも気まぐれでもなくて、本気ってこと……?

 呼吸が乱れそうになりそうなほど、心臓がドクドクとなる。

 シンキングタイムなんて与えられなくても、わたしの由利くんへの気持ちは明白だ。


「タイムリミットは、おれが片付け終わらせて校門に行くまでね。そのときに返事ちょうだい」

 由利くんが、わたしを見上げてにこっと笑う。

 さっき告白されたときはすぐに返事ができなかったけど、今度はぎこちなくも、ちゃんと頷けた。

 心を落ち着かせて、由利くんにちゃんと返事する。

 由利くんの目を見つめ返しながら、そう決めた。


< 80 / 192 >

この作品をシェア

pagetop