慶ちゃんが抱いてくれない!




「…先生、なんすか?寝てたんですけど」

「騒いでる声が聞こえたが、他の班の奴も集まってるんじゃないか?」

「集まってないっすよー。うちの班みんな疲れて寝てますよ」

「そうか?」


先生と男子が話していると、慶ちゃんにもっと引き寄せられる。



わぁ…!慶ちゃんどうしちゃったんだろう…?



それに、さっきの……俺のって?



もう…いつも以上に慶ちゃんにドキドキしてしまって、あまり近くに寄ると心臓の音がすごい事になってるのがバレそう……。




心臓の音が聞こえちゃうかもしれないけど…



それでも、さっき慶ちゃんが小山君のキスを防いでくれた事と、どういう意味にしても「俺の真穂」って言ってくれた事が嬉し過ぎて私は慶ちゃんの首の後ろに腕を回してギュッと抱き着いた。



すると、慶ちゃんはチュッと私の頬にキスをしてくれる。




慶ちゃんの唇が私の唇に近付く気配がする。





あ……またキスされるかも……





完全に受け入れ体勢で、目を閉じて唇が重なるのを待っていると重なる前に慶ちゃんの唇がふいっと離れて、おデコにキスをされた。




…アレ!?




って!違う!何ガッカリしてるの!?楓ちゃんに散々言われてるのに、またキスしそうになっちゃった…。




しかも、布団被ってるとはいえ、周りにみんないるのに!




すると、慶ちゃんが耳元で囁いた。


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