敏腕パイロットのドSな溺愛~離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない~
滑走路で永遠の愛を誓います
JPA246便は機体を水平にしてスピードを落とし、滑走路に着陸する。

煙と火花が散り、辺り一帯に悲鳴が響き渡った。

目を背けたくなる瞬間を、まじろぐことなく見つめる。

機体がやや左に傾いた状態で停止し、その場にいる誰もが息を呑んだ。

……炎は出ない。爆発も起こらない。

すぐさま数台の消防車が放水し、胴体を冷やす。

歓声と拍手が巻き起こった。

五分ほどして、飛行機の乗降口から乗客が次々飛び出してくる。

涙を流す人々もいて、私も目頭が熱くなる。

無事に降りられて本当によかった。

佐合機長は手配されていた車椅子に乗せられ、病院に運ばれていった。

そして、最後に出てきたのは――。

「大地さん!」

滑走路を駆け、彼に飛びついた。

まだ震えが止まらない体を、彼がぎゅっと抱き締めてくれる。

「ごめんな。怖かっただろ?」

「仲直りできていないまま、大地さんが死んじゃったらどうしようってっ……」

子どもみたいに嗚咽を漏らした。

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