「そっか。ここでしゃべってるのも邪魔になるし、取りあえず響の部屋に行かない?」

「はあ…」

 兄とはいえ、勝手に上げていいのか疑問だが、誉の勢いにおされる。そして、この日誉と一緒にマンションに入った事が、後々柚が面倒な事に巻き込まれる原因になってしまうのだ…

「柚ちゃん、体調はあれからどう?」

「あの時は、診ていただいてありがとうございました。今はすっかりよくなりました」

「それは良かった。心配してたんだ。で?響とは順調?」

「はい。お陰様で」

「将来は、柚ちゃんは俺の義妹になるのかぁ〜」

「えっ?」まだ、将来の事まで考えた事がなかった柚は、誉の言葉に顔が真っ赤になる。

「照れてる〜可愛いなぁ」

「誉先生、からかわないで下さい!」

「柚ちゃん、病院じゃないから先生はやめて」

「…椎名さん?」

「プッ。今更名字?下の名前で」

「彼氏のお兄さんって、下の名前で呼ぶのが普通ですか?」

「普通じゃない?」

「そうなんですか…」