『お願いだから側にいて』~寂しいと言えない少女と孤独な救命医の出会い~
予期せぬ再会
side 敬

「お疲れ様」
「お疲れ様でした」

仕事が終わったのは夜10時を回った頃。
週末のせいか今夜の救急はすごく混んでいて、結局残業になってしまった。

「杉原先生、この後予定ある?」
救命科の先輩医師に聞かれ、
「いいえ、ありません」
正直に答えた。

「じゃあ、飲みに行くか?」
「はあ」

別に先輩と飲みに行くのが嫌な訳ではない。
明日は休みだし。だだ・・・

「あ、先生たち、飲みに行くなら誘ってくださいよ」

ほらきた。
この先生は金持ちで気前がいいから、すぐに人が寄ってくる。

「いいよ。杉原先生と飲みに行くところだったから、みんなも行くか?」
「「はい」」

あーぁ、結局大人数になってしまった。

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