……もしかして、レリウスさまはわたしの態度に呆れちゃった? それで、屋敷に帰ってこなくなっちゃったのかな……。
 想像したら、悲しくて耳と尻尾がへちょんと垂れた。
 わたしだって理性的な部分では、自分がただのペットで、レリウスさまに想う人がいてもなんらおかしくないと理解しているのだ。当然、五日前のあの行動が、ただの八つ当たりであることも百も承知だ。
 だけどわたしは当たり前に翌朝も、そのまた次の朝も、レリウスさまに会えるのだと慢心していた。だから、ネコパンチしちゃった日も妙な意地を張ってしまい、帰宅したレリウスさまにブラシがけとペロルこそきっかり要求したものの、「ごめんね」が言えなかった。同様に素直に甘えることも憚られて、普段よりツンツンした態度を取った。
 ……こんなことなら、ちゃんと謝っておくんだった。それで、ちゃんと自分の立場を弁えて、レリウスさまと彼の想い人の恋を応援……ぅううっ、やっぱり応援まではちょっと無理。