突入直後、征伐隊はワーグナー筆頭大臣の私兵団に囲まれた。異常な数の兵士を認めた瞬間、俺は征伐隊の情報が漏洩していることを直感した。
「どうやら、突入のタイミングまでダダ漏れだったようですね。いやはや、頭の痛いことです」
 ユーグは俺にだけ聞こえるようにこぼし、チラリと後続の隊員らを流し見た。
 俺とて思うところはあるが、今は仲間の裏切りを嘆いている暇はない。
「ユーグ、今は目の前の敵に集中しろ。全員で生還するぞ」
「同感です。なにより、あなたが生還せねば、ルーナもまた野垂れ死ぬことになる。あなたを慕いここまで追ってきたのですから、必ず迎えに行かねばなりませんね」
「当たり前だ」
 俺はキッと前を見据え、隊員らに叫んだ。
「陣形を広げすぎるな! 背後を取られぬよう留意しながら行くぞ! 敵は数だけが頼りの寄せ集めの素人集団だ、一気に叩く――!!」
「ゥォオオオオ!!」
 先陣を切り、向かい来る敵をなぎ倒す。
 以降、俺は死闘に全神経を集中させた。