絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
仔ネコ、騎士団長に懐く
 馬での移動中ずっと目覚めなかった仔ネコだが、森と王都の中間に位置する宿に着くとほどなくして目覚め、俺が用意したミルクを飲みきった。
 そうして今は、短い前足で腹をてんてんと叩きながらふやけた表情を浮かべていた。あんなに弱っていたのが嘘のように寛いだ仔ネコの様子に、俺の胸に安堵が広がる。
《ふみゃ~(ふへぇ~、満腹で大満足♪ お腹がくちいのって、こーんなに満たされて幸せなのね~♪)》
 仔ネコの満足げな鳴き声は、明らかに『満腹だ』と言っているのが丸わかり。しかも、どことなく人間臭い表情をしているようにも見える。
 ……ふむ。腹が膨れると満たされた表情になるのは、人間も動物も同じなのだな。
 俺はそんなふうに納得し、幸せそうに転がる仔ネコを見つめていた。
 すると、突然仔ネコが立ち上がったかと思えば、なにかを探すような素振りをし始めた。
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