『ピピピピピピ…』


いつもの時間にセットしてあるスマホのアラームが鳴った。

ゆっくり目を開けると、私はソファーで横に倒れていた。
私は昨日からずっと、ソファーで朝まで寝ていたようだ。

慌てて周りを見渡しても、昨日の夜と何も変わっていない。


神宮寺は部屋に戻っていないようだ。
ベッドにも誰かが寝た跡も無い。


「…神宮寺社長…戻らなかったんだ。」


私は急ぎ身なりを整えて、ホテルの部屋を出た。
今日は仕事があるので、自宅へ一度戻って、着替えをして会社へと向かうことになる。

そして、会社に向かう電車の中で、私は昨日の事を考えていた。

(…神宮寺社長は、友人たちと一緒で、朝まで戻らなかったのかな…)

気にすることは無いのだろうが、何故か少し胸騒ぎがする。

神宮寺は捉えどころがない男だけれど、嘘は言わない。
私に何も言わず部屋に戻らないのは、少し不可解な感じがする。