秘書課に戻ると、最近少し話をするようになった、同じ秘書課の、深山絵里がいた。私よりも3つくらい年下だ。
絵里は小柄で童顔、年齢より幼く見えるタイプだ。
甘えん坊という言葉がぴったりくる女性だ。

ちょうど他のメンバーも近くにいないため、私は絵里に話しかけた。


「絵里ちゃん、いきなりだけど、鳴海裕也っていう男性は知ってる?」


すると、絵里は嬉しそうに振り返った。


「営業部の鳴海裕也さんですよね?…彼は有名人ですよぉ…仕事もできてイケメンだし…でもちょっとおんな癖が悪いって評判ですけどね。それなのに、みんな鳴海さんに言い寄られると、騙されちゃうんですよね…私も鳴海さんなら騙されたいです~。」


鳴海は確かに、絵里の話にぴったりと合う感じの男性だ。
そんなにも有名人だったとは、驚いた。
外見は爽やかイケメンで、仕事もできそうである。それに、おんな癖が悪いのも納得する。

(…鳴海には、関らないようにしよう…)

鳴海は妙に感もよさそうだ。
万が一、悠斗さんと私の関係が知られてしまっては、大変な事になる。