朝の気配に目が覚めた。
周りの明るさを感じて、ゆっくりと目を開けると、そこには見慣れない天井だ。


(…そうだ、昨日は悠斗さんのベッドに寝てしまったのだ…)


ぼんやりとした頭で考えていると、部屋のドアが “カチャン“ と音を立てて開く音がした。

「桜、身体は大丈夫か?…昨日は…少し無理をさせたな…」

悠斗さんはカップに入ったコーヒーを手渡すと、少し気まずそうに口元を押さえた。

「だ…だ…大丈夫です。」

すると、悠斗さんは私の頭に優しく手を置いた。

「桜、順番は逆になったが、桜のお母さんのところに、俺を連れてってはくれないか。結婚の許しをもらうのと…お父さんのことも話をしよう。」


母はまだ父のことも何も知らない。
悠斗さんのことは、以前の私のように恨んでいるはずだ。
私以上に恨みは大きいかも知れない。
その母が、悠斗さんを見て何を言うか不安になる。


「悠斗さん、母は何を言うか分かりません。失礼な事を言うかも知れないので、会うのは、また次の機会にしませんか。」


悠斗さんは、私の言葉に静かに首を振る。