いよいよ尊のものにしてもらえると心躍らせていた美桜の願いも虚しく、樹里からの電話で尊が呼びつけられたあの夜から、かれこれ二週間が過ぎようとしている。

 あの夜、遅くなるという言葉通り、尊が帰ってきたのは日付が変わった頃のようだった。

 美桜はすっかり寝入ってしまい、朝まで一度も目覚めることなく熟睡してしまっていたらしい。

 前日、ホテルでそうしてくれていたように、起き抜けの美桜の身体は、背後からすっぽりと包み込むようにして、尊に抱きすくめられていた。

 そうしてこれまた素っ裸でないと寝た気がしないという尊のあれこれに、美桜は瞬く間に真っ赤にさせられ。

「朝から真っ赤になって、どうした? また俺にされたことでも思い出して、続きがしてほしくなったのか?」

 尚もトドメとばかりに、耳元に顔を埋めてきて、お決まりの言葉攻めまでお見舞いされてしまった。

 このまま昨夜の続きに突入かと思いきや……。

 またもや着信音という邪魔が入り、尊は早々にT&Kシステムズのオフィスへと出かけてしまった。

 なんでも、結婚するに当たっての諸々の準備を進めるために、元々過密だったスケジュールの調整が必要らしく、しばらくは忙しくなるのだという。

 お陰で、樹里のことを尊に尋ねようにも、そんな時間などなかった。