儚く甘い
「行きましょうか」
優しく微笑みながらみわに手を差し出す達哉。
みわがそっとその手を取ると、達哉はみわの体を支えながら、車いすにみわを座らせた。

体力を回復させながら、検査検査の日々を送っているみわ。
治療と手術のために、最低限の条件をクリアできなければならない。

なかなか食事をとれないみわに、あれこれ食べられそうなものを用意する母。
兄たちは一緒に渡米する準備を慌ただしく進めている。

達哉は大学が終わると毎日みわを病院の屋上や中庭へ連れて行く役をかって出ている。

すでに日中の気温はかなり高く、体力が落ちているみわにとってはかなり体力を消耗してしまう。
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