『どこにいる?』
「・・・」
涙が溢れて、嗚咽が漏れる。
『みわ』
いつもはお前とか、犬とかりすとか、人のことをちゃんと名前で呼ばないくせにその人は珍しく名前を口にする。

その声に名前を呼ばれただけで余計に涙が溢れて何も話せない。

『屋上か?』
「・・・」
『そこで待ってろ。動くなよ。すぐ行く。』
「・・・」
『いいか?待ってろ。動くなよ、みわ』
そう言って切れた電話。

みわは通話が切れた携帯電話を抱きしめる。
そこにはまだ、『宝条達哉』の番号が表示されていた。