好きだけど、好きなのに、好きだから
スーパールーキー

出会い

あっ!

手からボールが離れた瞬間わかってしまう。

外れた……

ボールはリングに当たり跳ね返る。

ガンッ

えっ!!

その彼は、跳ね返ったボールをそのままリングに叩き込んだ。

思わず息を呑む。

シーン……

体育館が静まり返った。

その静けさに、耐えられなくなった私は口を開いた。

「あの……」

その彼は無言で私に背を向けたまま、体育館を出ていった。

このダンクシュートが、私の彼との出会いだった──
< 1 / 97 >

この作品をシェア

pagetop