ミリエラからもらったお揃いの腕輪。ライナスとディートハルトの左腕には、同じものがはめられている。

 王妃に言ったらちょっと困ったような顔をしていたけれど、ライナスが「気に入った」と主張したので、しばらく身に着けてもいいことになった。

「兄上! 一緒に寝る!」
「いいよ。歯磨きをしてから、僕の部屋においで」

 ライナスが、兄として慕ってくれるのが、ディートハルトには嬉しい。

 王妃のことも──もうひとりの母と思えと言われると困ってしまうのだが、父と同じくらい大切な人だと思っている。

 少しだけ、彼女との距離が近づいたのも、ミリエラのおかげである。本当に、彼女はすごい。きっと、ミリエラ本人が思っているよりずっと。

 ディートハルトのベッドは広いから、ライナスとふたりで十分寝ることができる。枕をポンポンと叩いたライナスは、にこにことしながらベッドに入って来た。

「腕輪、着けたままなの?」
「うん、兄上とお揃い」

 にっこり笑うライナスは、とても可愛らしい。彼が弟で、本当によかった。

「邪魔じゃない? 寝る時に外さなくて大丈夫?」
「平気」