天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました！２
　魔道具の売り込みには、様々な人と顔を繋いでおくことも大切というわけで、必要最低限は出席するようにしているのだ。

「パパ、パーティー行かないの？」
「行かない。そのパーティーに参加しようと思ったら、三日は留守にしないといけなくなる」
「それはやだなぁ」

　よく見てみれば、その招待状は、ここから馬車で一日ほどの場所で暮らしている貴族が差出人だ。

　朝出発しても、到着するのは夕方以降。確実にパーティーに出席するならば、前日には相手方の屋敷に入らねばならない。

　前日屋敷に入り、次の日パーティーに出席。帰宅の途につくのはその翌日だ。たしかに、最低でも三日は留守にしなければならない。

「行かないよ。ミリィの側が一番だから」
「そうだよねぇ」

　えへへ、と笑っておいて、ミリエラは次の手紙を取り上げた。これもまた、パーティーの招待状だ。

　昨年、父が仕事と社交界に復帰して以来、こうした誘いはどんどん増えている。

　ミリエラという子供がいるとはいえ、父はまだ二十代。父と結婚したいという女性はたくさんいるだろう。

< 81 / 279 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop