王都からグローヴァー領に戻って来たミリエラは、忙しく過ごしていた。

 ミリエラの夢は、父のような立派な錬金術師になることだ。ミリエラ個人の才能については、風の精霊王エリアスも太鼓判を押してくれているけれど、努力は必須。

 毎日、勉強しなければならないのである──と言いつつも、まだ六歳の誕生日を迎えたばかり。

 今は、ミリエラの作りたいものを父と一緒に作っているという方が正しい。十歳を過ぎた頃から、本格的な修行が始まるそうだ。 

「ええと。ヒカリゴケを抽出した液でしょ、セイレーンの魔石、ビッグアイの魔石、それと、水晶。水晶の大きさから、必要な素材の量を計算するんだったよね」
「そう。それでいい。見ているからやってみてごらん」

 父の仕事部屋には、ミリエラ用の作業スペースも設けられている。

 錬金釜を使うのは、父が側に付き添っている時だけという約束を、ミリエラはちゃんと守っていた。

(言うことを聞かないと、大変なことになるもんね!)