契約夫婦を解消したはずなのに、凄腕パイロットは私を捕らえて離さない
ふたりでずっと夢を追い続けていこう
「んっ……」

 重い瞼を開けると、いつもとは違う天井のクロスが目に入った。

「あれ、ここ……?」

 起き上がろうとしたけれど、下腹部の痛みに襲われベッドに逆戻り。そこで自分が裸なのに気づき、昨夜の記憶が一気に蘇った。

 そうだ私、昨夜は誠吾さんと……。

 甘い情事を思い出すと、身体中が熱くなる。

 恥ずかしくてでも嬉しくて、感情が目まぐるしく変化して足をばたつかせた。

 最初は痛くてたまらなかったけど、終始誠吾さんが優しくて甘くて、そして感じている彼の顔はもうなんか色気がすごかった。とにかく幸せな気持ちでいっぱいだ。

 余韻に浸っていると、隣にいるはずの誠吾さんがいないことに気づく。

 ゆっくりと起き上がり、まずは服を着ようとしたものの、昨夜彼に脱がされた服がない。

「え? どこにいっちゃったの?」

 さすがに裸で寝室を出るわけにはいかず、シーツを巻いてドアへと向かう。

 だけど痛みでうまく歩けず、ゆっくりと進んでいくと急に寝室のドアが開いた。

「悪い、起きたのに気づかなくて」

「い、いいえ」

 シャワーを浴びてきたのか、髪は濡れていてズボンだけ履き、上半身は裸状態の誠吾さんを直視できなくて視線を落とした。

「おいで」
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